TECHNIQUE&FLOW

技法と製造工程

技法について

一口に銅器と言っても大きなブロンズ像から小さな仏具までその用途も大きさもさまざまです。さらに表現意図や作品形態、使用目的によって鋳造方法や仕上げ方、着色なども異なってきます。 ムラセ銅器では、古来より受け継がれてきた伝統工法、伝統的なデザインに新たな工法デザインを加え、質の高い製品を製作しております。

蝋型鋳造法による鋳造

蝋型鋳造法による鋳造

原型の繊細な部分まで高度に再現され、作品の造形を忠実に鋳造する製作です。基本的にはミツバチの巣から抽出した蜜蝋に松ヤニを煮合わせたもので原型を作ります。これに砂、土、和紙を調合したもので包み、800度の高温で焼きます。これによって鋳造の水分、有機物が取り除かれ素焼き状態となり、蝋が溶けてできた空間に銅合金を流し込み、原型をそのまま再現した鋳物が出来上がります。一つの原型で一つの作品しか出来ない鋳造法です。

意匠(デザイン)原型製作

意匠(デザイン)原型製作

作品制作にあたり、製図の製作から始めます。意匠(デザイン)の提案などをさせて頂きながら進めていきます。何案かの中から意匠(デザイン)が決まれば、意匠(デザイン)に沿って原型師が必要に応じて木彫りや石膏、粘土などで正確に原型をおこします。

蝋型鋳造法による鋳造

多様な鋳造法

先に説明した蝋型鋳造法のほかにその作品にあわせ、多様な鋳造法にて鋳造しております。
・真工による焼型鋳造法
・CO2ガス鋳造
・双型鋳造法
・生型鋳造法
上記の鋳造法を屈指、その作品に最適の鋳造法にて鋳造します。最適な鋳造法をとるため意匠(デザイン)、コストの両面のメリットが大きくでます。

多様な地金

古来多く用いられてきた作品の素材になる地金は銅、すず、鉛を加えた銅合金です。その種類は多様にあり、主だったものは下記のものになります。

青銅(唐金)

銅に鉛、錫を合わせた合金です。ブロンズと呼ばれています。錫の量が多くなるにしたがって、赤色から淡黄色、さらに白色へ変化します。

黄銅(真鍮)

鉛と亜鉛の合金を黄銅といいます。わずかに鉛を加えることもあります。研磨すると美しい結晶が現れるトンパックは亜鉛量が少ないです。

響銅(材波理)

銅と錫の合金で銅に15%から25%の錫を加えた合金を材波理といいます。音が良いのが特徴です。

赤銅(鳥銅)

金と銅の合金を赤銅といいます。幾分、黒味を帯びた色合いをしています。金の合金割合は数%です。

朧銀(四分の一)

銅75%、銀25%、すなわち合金量が四分の一であることから四分の一とよばれています。落ち着いた色合いが特徴です。

製造工程

01図面

図面

製作する鋳物の意匠(デザイン、スケッチ)をおこします。 縮図から始まり、原寸大を書いていきます。

02原型

原型

原型師が木彫り、粘土、石く骨、FRPなど多様な材料を使い正確に原型をおこします。

03鋳型

鋳型

原型に応じた材料を用いて鋳型を製作します。

04フキ

フキ

溶解炉にて地金(金属)を1200口程まで溶解し、鋳形に流し込みます。 これを吹きといいます。

05仕上げ

仕上げ

鋳物生地の表面を削り、仕上げ作業をしていきます。数十種類のヤスリを用いて行います。(写真はロクロによる仕上げ作業です)

06着色

着色

古来より防触と意匠(デザイン)を目的として作品の表面を塗膜着色していきます。特殊に調合した飛躍や漆により着色し、銅本来の性質を引き出します。

07設置

大型のブロンズ像や建築金物類は現地にて設置、運搬いたします。最終点検もでき、責任もって施工を行います。